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ファンケルがデジハリ横浜にやってきた!社内クリエイターを養成する狙いとは?

コロナによって百貨店の休業などが続き、ますます重要になってきたインターネットを通 じた顧客と企業とのコミュニケーション。2020 年、いち早く社内に撮影スタジオを新設し、 「OMO・デジタル推進プロジェクト」を立ちあげたのが、無添加化粧品などで知られるファンケルだ。撮影から編集まで、社員の手によってコンテンツ作りを引き受ける同プロジェクトの動画制作チームとは? 

無添加化粧品や健康食品などで知られるファンケル。昨年夏、とある設備が設置された。撮影スタジオだ。 

「照明、音声など、本格的機材を揃えたスタジオは2つ。ライブショッピングの配信などに使われる4〜5 人向きのスタジオと、IRの発表などもできるコンパクトな少人数向けのスタジオがあります」 

そう言ってスタジオを案内してくれたのは、同社の事業企画本部広告宣伝部企業広告グループの岩本浩昭さん。毎週火曜と木曜に配信されているライブショッピングがこのスタジオから配信されているほか、ショッピングモールで紹介されている商品動画もこのスタジオで撮影されているという。

コロナで対面販売が難しくなり、動画でコミュニケーションを取る必要が生まれた 

岩本さんによると、同社が顧客とのコミュニケーションのデジタル化を本格的に進めるよ うになったのは、コロナ前の 2019 年から。さらにコロナ禍で対面販売が難しくなった20年夏には、生中継で社員が商品を紹介しながら販売するライブショッピングや、動画を使った商品PRなど、インターネット上でのマーケティングが強化されるようになった。 

そもそも同社の主力商品である基礎化粧品は、実際に手に取って購入したい人が多いメイク用品より、通販との親和性が高い商品と言われる。そんななか「島田和幸社長、直々の指 示」によって新設されたのが、番組などの制作を社内でできるこの撮影スタジオだった。 

他企業でもネットを主要な販売の場として活用し、自前のスタジオを社内に持つケースも少 しずつ増えている。なかでもファンケルのネット戦略がユニークなのは、社内にスタジオを設置するだけでなく、コンテンツの撮影や編集なども、社員の手によって行なおうとしていることだろう。昨年 11 月には、社内の各部署から役員を含む7人のメンバーを集めた 「OMO・デジタル推進プロジェクト」も立ち上がり、岩本さんもプロジェクトのメンバー に招集された。OMOとは、Online Merges with Offline(オンラインとオフラインの融合)の略で、オンラインとリアル店舗の垣根を越えた、次世代のマーケティング手法のことをいう。 

未経験・メンバーによる動画作品の制作がスタート

「プロジェクトの中で、私を含めた3名が動画内製化チームとして始動。メンバーの2人は、 ビデオカメラすら触ったことのない動画初心者。動画を制作するには、どんなスペックのパソコンが必要で、どんな設備が必要なのかなどを自分たちで調べて相談することから、このチームはスタートしました」 

足らなかった制作スキルの部分は、岩本さん、動画制作チームのメンバー2人とともに「デ ジタルハリウッド STUDIO 横浜」で動画制作を学んだ。門外漢だった制作チームの2人が 動画制作のスキルを身につけたのはもちろん、岩本さんも管理職としてその制作の流れを理解したり、制作チームの作業のボリュームを理解する、いい機会になったという。 

そうして現在、社内で制作されているのは、毎週2回、スタジオから生中継されるライブコマースの全コンテンツ、またアマゾンなどのショッピングモールでの商品紹介動画や、タレントを使わない広告物なども、内製化が始まっている。 

以前は、これらのコンテンツのほとんどは外部の制作会社などに外注していたというが、 「考え」「作り」「発信する」という作業を社内ですべてまかなうことで、早くもさまざまな メリットが生まれているそうだ。 

手作り感があるが、動画制作スピードが大幅に向上した。

「まず大きいのはスピード感ですね。誰よりも商品のことを一番知っていて、訴求ポイントをよくわかっているのは社員。オリエンが不要になり、打ち合わせなどに使う時間も短くなりました。また動画にちょっとした修正が必要なときも、社内に動画制作チームがあれば即座に変更ができる。私もデジハリで学んだおかげで、切り貼りくらいの動画編集作業はできるようになり、公開するまでの時間がかなり短縮されています」 

もうひとつ、制作物の権利関係も、かなりシンプルになった。外注で制作した場合、テレビ 広告からネット広告へとメディアミックスが進むたびに、二次使用料が発生。一方、自社で制作したものの権利は、ファンケル自社が管理する。自由にメディアを横断できるというのも、メリットのひとつとなっている。またライブコマースなど、社員一丸で制作しているコンテンツには、社員が嫌がらずにガイドとして登場してくれるようになったのも、「内製化 の恩恵」といえそうだ。 

一方、デメリットもある。人材育成の手間や費用はかかるため、コスト面でどこまで節約できるかは今のところ未知数という。しかしながら、外注した場合には数百万円規模の動画を、内製化できる月もあるようで、制作スキルの向上と共にいずれは手間や費用面の課題もクリアできる見込みを立てているそうだ。また、制作チームはプロの作り手ではないだけに、 現状スキルでは一部コンテンツのできあがりには手作り感も残る。 

「とはいえ、会社設立当初から続くベンチャー精神を忘れずに、美しい動画より、動画に込める想い、のほうが大切と割り切るようにしています。考えてみると、ファンケルで主催するイベントなどの運営も、できるだけ外部に出さずに、社内でやろうという社風がそもそもあった。主流になりつつあるインターネットでのお客様とのコミュニケーションだからこそ、自分たちの手で作っていこうというこの試みと、通じるところがあるかもしれません」 

同社では新入社員の自己紹介動画を新入社員自身が撮影して動画制作チームで編集するなど、動画ネイティブの若い世代からどんどん動画を活用している。「これからはスマホネイ ティブで動画が当たり前の世代が購買力を持つ年代に成長してくる。さらに、5Gの普及で 動画コンテンツはますます重要になっていくのではないか」と岩本さんは言う。動画制作の スキルが、就職の際にアピールポイントになってくる可能性がありそうだ。 

そこで現在、動画作りを勉強中で、将来企業入社を目標にしているデジタルハリウッドの受講生に向けて、動画制作チームの仕事についても教えてもらった。まずその作業は社内から受注した動画制作案件の概要を聞き取り、先方の担当者と打ち合わせするところからスタート。この打ち合わせを元に、絵コンテ、ストーリーを作り、必要な機材や素材を集める。そしていよいよ撮影をして、編集。最後に動画をアップしているところまでが仕事だ。 

「向いているのは、こだわりと信念のある人。それからトレンドを追って、突き詰めていける人でしょう」 

同社の 21年3月期の決算では、新型コロナウイルスの影響もあり、通信販売が49.4%、店舗販売が 23.2%と通信販売の利用率が高まった。自身の手で商品をわかりやすく紹介し、 自身の手で発信する動画制作スキルは、ますます重要になりそうだ。 


ファンケル OMO・デジタル推進プロジェクト動画制作チーム 

小方彩加さん

「デジタルハリウッドSTUDIO横浜 で学んだこと」


Premiere Pro や After Effects というソフトを基礎から学べたことが、現在業務で行ってい る動画制作のベースになっています。また講座ではさまざまなテーマの動画を制作したの で、イメージした動画をどう作るか考えたとき、「デジハリで作ったあの動画に似ているな、 これを使えば作れるかな」と自然と考えることができています。マスクなど、講座だけでは 充分にマスターできなかった難しい操作もあり、100%使いこなせるところまでは到達して いませんが、講座で学んだことを資源にして、今後スキルアップに役立てていきたいです。

 

岩本浩昭さん

「部下がデジタルハリウッドSTUDIO横浜に通って良かったこととは」

授業内容が゙テーマごとに分かれており、習得内容を整理しやすく、レベルに合わせてステップアップしていくことができたようです。また、仕事をしながら受講してもらったので、自分のペースで受講できるオンデマンド授業のスタイルがとても助かりました。さらに、分からないところは学校で先生に直接質問もできるので、効率的に学べるのもデジハリさんの魅力だと思います。今後は、デジハリさんで学んだ゙スキルをベースに、足りないと感じたスキルを自身で補ってさらなるスキルアッップを図っていってもらいたいと思います。

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