OJTで試してみたワインショップのロゴデザイン制作。プロセスを公開
- デザイン
今回のお題は「デザインコンペ」です。誰もが最初はそうですが、Illustrator・Photoshopといったツールの基本操作もままならない状態から、ネットショップのロゴデザインにコンペ形式で参加し、実際のオリエンを受けて制作にチャレンジ。実際にコンテストで選ばれたロゴデザインまでのプロセスを公開します。

こんにちは、主婦ママ担当トレーナーの原八千代です。
デジタルハリウッドSTUDIO横浜では、「ロゴデザイン制作+OJTの講座」を2019年3月9日(土)に実施しました。今回は、ワインのネットショップをYahoo!ショッピングにオープン予定の株式会社パスポート様(http://www.passport-net.co.jp/)からご依頼いただき、
1.ライブ授業でコンペ形式、
2.クライアントワークOJTで納品データ制作までの指導過程をご紹介します。
まずはクライアントからの要望をテキストで理解する
事前にクライアントからメールでいただいた要望は下記になります。
●Yahoo!ショップ出店予定の「飲み頃ワイン屋」ロゴ・ロゴマーク
・カラー(白背景で使用)と、白(濃い色合い背景で使用)
・納品形態:AIデータ
●ロゴ・ロゴマークに希望すること
見ただけでワインを売っているとわかること
高級さや重厚さよりは穏やかで落ち着いたイメージの色あい
●ロゴ・ロゴマークを使用するサイトについて
コンセプトは熟成したワインや若い時を経ない、おいしいワインをおすすめするワインショップサイト
価格帯は1000円以下から数十万。穏やかで落ち着いたイメージ
この条件を元に、デザインのポイントとなる部分ば、どういうところかを考察していきます。
ヒアリングをしてテキスト以外のイメージを深める
その後、担当者様と直接お会いして、ヒアリングを行い深掘りを進めます。ここで受講生たちは、トレーナー原と共に担当者様へのヒアリングを体験しました。
以下は、その担当者様からの説明です。
●店頭使用ロゴ (Nommelier)とは別に、Yahoo!のショッピングモールへ出店するため、下部のロゴイメージを踏襲しないものがいい。
●Yahoo!ショッピングモールでの店名は「飲み頃ワイン屋」です。このイメージだけで作成してください。
●モール上で扱う品物はワインです。「飲み頃ワイン屋」の由来とも言える、熟成期間を経て飲み頃を迎えた ワインが中心ですが、フレッシュな今を楽しむワインを販売を予定しています。
●ロゴに求めるイメージとして、ワイン屋である事が伝わり(ボトルシルエットや葡萄シルエットなど)、店頭で好評なイメージである、ステータス感はあるが、軽すぎず重過ぎず、冷たくない、穏やかなイメージを期待しています。
↓ 現在店頭で使用されているロゴデザイン、看板デザインや販促物にも展開されています
NGと考えるイメージ
●軽く感じ、ステータス感が無い
●重すぎるため、あるいは冷たいイメージ
●「なに屋さん?」初見でイメージが湧かない
さて、ここまで読んだ方はロゴイメージが固まりましたでしょうか?
ここからクライアントが思い描いているロゴイメージをヒアリングをしていきました。
イメージを深め、オリジナリティを考察
担当者様からの説明を終えたあと、受講生たちから出た質問事項はこちらとなりました。
●ロゴマークだけ制作ですか?店名「飲み頃ワイン屋」を含めますか?
●Yahoo!ショップで販売予定のワインの価格帯を教えてください。
●赤ワインと白ワインの比率はどんな感じですか?
●Yahoo!ショップで販売予定のワインのこだわりを教えてください。
●ネットショップ用のロゴは、今後紙媒体でロゴを使用することはありますか?
●直営店の店舗写真をいくつか支給していただくことは可能ですか?
マークだけか?店名文字も含めたデザインか?など、具体的な質問になってきていることが、わかります。
価格帯を把握することで、さらにデザインの方向性を絞り込んでいくことができます。
また、店舗イメージをデザインとして寄せるため、後日、直営店の店舗写真を素材として支給してもらうことになりました。
ラフスケッチをたくさん描き起こす
ここまでの情報を元にラフスケッチを描いていきます。デザイン案出しラフスケッチのやり方は「描いて消す」ではなく「描いて、また新しい紙に描く」です。
せっかく描いた案が没になったとしても、次々にラフ案を描き、最初の案を見ると、さらに新しい案が生まれる相乗効果が得られる場合があります。
Illustratorでデータ化し、
印刷とWebで使える汎用性あるデータに
描いたラフデザインをスマートフォンで撮影します。撮影した写真データをIllustratorに貼り付け、ペンツール等を使いオブジェクトを描画していきます。
初心者には操作が難しいペンツールですが、講座の中では基本的な使い方のレクチャーも加えます。受講生の中には、手描きではスラスラできても、ペンツールの操作には苦戦している様子が見られました。ライブ授業では、Illustratorの使い方も個別にレクチャーしていきました。
コンペ作品が続々。さて、選ばれるデザインは!
ライブ授業後に締切日を設定し、みなさんから続々と作品が提出されてきました。
全8提案
提出作品を見てもらうと分かるように、同じ講座を受けても、男性的・女性的だったり、カラーの違うデザインが生まれていますね。これがデザインの面白味だと思います。
一次選考終了。修正が入り、クライアントワークの実務を経験
さて、クライアントに選ばれる作品はどれでしょうか? クライアントは社内会議にてデザインの選定を行いました。結果、2つの案が選ばれ、ブラッシュアップの要望がありました。
クライアント要望に加え、こちらからの提案を付け加えた4案をデザイン提出しました。
最終の4案




最終選考を通ったコンペ優勝者の作品はこちら!

最終調整として細かい修正をして、Illlustrator形式でのデータ納品をしました。
Illlustrator形式ですが、バージョンを気にしなければなりません。今回デザイナー側のバージョンはAdobe CCですが、クライアント側ではCS2のバージョンでないとデータが開かないため、Adobe CCからCS2のバージョンに落として納品データを作成しました。
サイト内の写真やバナーとマッチした素敵なロゴデザインになりましたね!
https://store.shopping.yahoo.co.jp/nomigorowineya/
実際のショップに掲載されたイメージ↓

コンペ優勝者からのコメント

STUDIO横浜受講生 神部さん
このOJTを受ける前は、IllustlatorやPhotoshopは、ほぼ使えませんでした。チャレンジしてみると「自分で作る」ことは、ビデオで学ぶより面白く、グイグイ成長できました。なにより、「もっといろんなものを作りたい!」という意欲が湧いてきました。実際に作り、技術が向上するという好循環を生み出せたのだと思います。また、自分の実績が「だれかの役に立った」という喜びが新しいモチベーションになりました。忙しい人、勉強に疲れてしまった人こそ是非チャレンジしてほしいと思っています。(神部)
今回のロゴOJT講座では、実践を通してアイデアの出し方〜納品データを作るまでのプロジェクトの流れを体験してもらい、デザイナー観点でのヒアリングと提案の方法など、クライアントとコミュニケーションを取る方法に重点を置きました。
さらに、データ制作では、印刷・Webどちらであってもプロの現場で使用される形式のデータまで作り上げることを体験してもらい、今回の経験を通して、次回は一人で全ての工程を実施できるスキルを身につけてチャレンジして欲しいと思いました。
神部さんから今回コメントをいただいた時に、コンペ後も色々なロゴデザインコンペにチャレンジしているという嬉しいレポートを聞いて、この講座を実施して本当に良かったなと思いました。(原)
■原八千代(はらやちよ):プロフィール
フリーランス グラフィック&Webデザイナー
デジタルハリウッド STUDIO横浜 トレーナー / スタッフ。
【経歴】
グラフィックデザイナーとして制作会社で勤務後、結婚&出産後は大手電機メーカー販売促進チームにてクライアントワークを経験。2011年の震災を機に在宅ワークに切り替えるためデジタルハリウッド入学。
家族の課題があり、すぐにはフリーランスとして稼働できなかったが、徐々に仕事を受注しながら、デジタルハリウッド STUDIO横浜にて勤務。
Coder Dojo まちだで主に小学生向けに講師をしたり、町田市の小学校でICT支援員勤務経験後は、親御さん向けにITリテラシー教室の実施など、多岐にわたって活動中。
デジタルハリウッドSTUDIO横浜では、無料の説明会を随時開催しております。
ご予約の上、ぜひお気軽にお越しください。
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